賢者の国オランの片隅。
3ヶ月ほど前にひとつの冒険を終えた、
マーシャとコトリーヌ、そして新しく仲間に加わったパロは、
冒険者の店「黄金のたてがみ亭」で、くつろいでいました。
そんな時、「黄金のたてがみ亭」の主人から、
急ぎの依頼が入ったと話を持ちかけられます。
依頼の内容は、隊商の護衛です。
依頼主は、オランで布の商いをしている「ベルトン商店」で、
エストン山脈の麓にある、フィルドという街まで、商品を運びたいそうです。
報酬は500ガメルです。
マーシャたちは、依頼を引き受けることにしました。
ベルトン商店の馬車とともに、街道、山道を通って、
5日ほどでフィルドの街に到着しました。
依頼を果たし、報酬を受け取ったマーシャたちは、
フィルドの街の冒険者の店「さびしがりやのサラマンドラ亭」に
顔を出すことにしました。
そして、「さびしがりやのサラマンドラ亭」の主人、ファラッドから、
次のように頼まれます。
フィルドの街の、マーファ神殿の司祭様が、最近ふさぎこんでいるようなので、
なにか珍しい旅の話でも聞かせてやって欲しい、
また、悩みがあるようなら聞いてやって欲しい、と。
この頼みをきくことにしたマーシャたちは、神殿を訪れます。
神殿では、ちょうど結婚式が執り行われており、
新郎新婦が、参列者たちに祝福されながら、ウエディングロードを歩いていました。
突然、雰囲気の良くない男たちが式に乱入します。
彼らは、新郎新婦や、ともにいたドワーフの司祭を罵り、悪態をつきます。
マーシャたちは男たちを止めに入り、争いになるかというところでしたが、
男たちは大事になるのをおそれて、その場は退散します。
ドワーフの司祭は、マーシャたちにお礼を良い、
神殿で、今日の夕食を振る舞いたいと申し出ました。
結婚式に乱入したのは、フィルドの街の有力者の、アルカンという男と、
その手下たちでした。
先代の領主の時代に、エルフやドワーフ、グラスランナーが迫害されたことがあり、
彼はその領主の影響を受けて、人間以外の種族を嫌い、排除しようとしているのです。
その日の夕方、マーシャたちは再び神殿を訪れました。
そこで、ドワーフの司祭のダムンドから、次のような話を聞かされました。
ダムンドは、以前は傭兵をしていましたが、
この神殿の先代の司祭のラルファに命を救われ、マーファの教えに目覚めました。
ラルファが亡くなると、あとを継いで司祭となりました。
最近になって、ダムンドに不安を投げかけているのは、
礼拝堂の床下に見つけた、隠し通路の存在です。
以前からアルカンに
この神殿には秘密がある、隠した財宝があるなどと言われていました。
ダムンドは、この隠し通路の探索を手伝って欲しい、とマーシャたちに依頼しました。
報酬として、マーファ神殿に伝わる「聖女の祈り」というリキュールを差し上げよう、
と言いました。
マーシャたちはこの依頼を受けることにしました。
通路は地下深く続いており、長年使われていなかったため、埃が積もっていました。
壁が崩れているところもあり、外からバットが侵入して巣を作っていました。
マーシャたちはバットを倒して、さらに先に進みました。
通路の奥には、両開きの大きな扉がありました。
扉には「明日を信じて唱えよ。さすれば道は開かれよう」という言葉が書かれています。
マーシャたちがこの言葉を見つけたとき、
アルカンとその手下たちが、後をつけてきていた事に気付きました。
アルカンたちは、財宝を奪おうと襲いかかってきましたが、魔法で眠らせ、拘束しました。
マーシャが扉の前で、結婚式で聞いた誓いの言葉、
「重ねた手をそのままに、我らの前に道は開ける」と唱えると、扉は開きました。
扉の向こう側は、外でした。
隠し通路を歩くうちに、マーシャたちは街の外へと出ていたのです。
やがて朝日が顔を出し、
ちょうど東向き、つまりウエディングロードの方向に出てきたことが分かりました。
この通路は、昔、結婚を許されなかった者たちのために、
司祭ラルファが作った駆け落ち用の通路、
つまりもうひとつのウエディングロードだったのです。